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「ヒッキーが言えた台詞か?」
操博士の後ろに人影が見える。
この人は『男』という人種か?
シュッとした出で立ちに切れ長の瞳。
サラサラの茶髪からは甘い香りがする。
何だか不思議な人だ。
「およびじゃないぞ、武人」
操博士は振り返りジトーッと声の主に視線を送った。
「ひでぇ~……」
わざとらしく男は頬を膨らませた。
「事実を述べただけだ」
操博士は意地悪を言う。
何かあたりがキツイのは僕の気のせいだろうか?
「おやおや?
ヒッキー操にも彼氏が出来たのか?」
ぐりぐりと男は人差し指で操博士の頬を突きながらニヤニヤしている。
「黙れ。
変なあだ名つけんなよ」
ぐいっと操博士は男の指を握った。
「ハジメマシテ。
僕はアンド……ふがふが!」
僕が自己紹介をしようとした瞬間、操博士が僕の後ろから口を塞いだ。
「最近知り合った友達のまつりだ」
僕の言葉を掻き消すように操博士は男に僕を紹介した。
「友達?
操に?」
まとわりつくような視線で男は操博士をジロジロと見た。
「……文句あるか?」
操博士は男を睨む。
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