3565人が本棚に入れています
本棚に追加
/687ページ
「由美は、俺と終わりにしたいの?」
「そんな事は、言ってない」
「じゃあこのままでいいんじゃないかな~」
「なんか中途半端じゃない?」
「そうだろか?」
「何か、のらりくらりなのね」
「・・・・」
(鋭いな)
「まあいいわ。今日はそんな話で電話したんじゃないの」
「ん?何?」
「部屋引き払って実家に戻ろうかと思ってね」
「え?マジ?」
「白々しいわね」
「そんな事ないよ」
(やっぱり一人じゃ寂しいのかな?)
「実は、もう手続きも終ったの」
「え~早いな。ところでお母さんの例の男は?」
「別れたみたい。だから平気」
「そう、よかった。お母さんも喜ぶんじゃないかな?」
「中々会えなくなるのに平気なのね」
「仕事は?」
俺は、由美の質問に答えずに話題を変える。
「今の店にアルバイト程度で続けるわ」
「そう。じゃあ、たまにはお店に顔を出しなよ」
「うん、そうする」
由美は、それ以上深く問い詰めてこない。
諦めたようだ。
二人の関係は、あっけなく終わる。
最初のコメントを投稿しよう!