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「うっ……」
病室の窓から射し込む光に目が眩む。
「……夢?」
どうやら、長い夢を見ていたようだ。
「あっ……!」
横から、聞きなれた声が聞こえる。
「……あんたが眼を覚まさなくなってから、もう一年も経ったのよ?」
一年……俺はそんなに寝ていたのか。
「私、もう一生このままだと……思ってたんだからね? ってうわっ」
涙目で俺を見る彼女を、強く抱き締めた。
「ちょっと、いきなり何を……」
驚く彼女を無視して、さらに力を込めた。
「俺、気付いたんだよ」
長い長い、嘘みたいな戦いの夢の中で見つけた一つの答え。
「君だけいたら、何もいらなかったんだ」
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