第一章「最終章其の1」

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  思いっきりアッパーカットをかましてやったら、遂に着ぐるみの頭部が吹き飛んで素顔が明らかになる。 金髪に少しウェーブのかかった上品なイメージの髪に、赤い瞳、少し幼い顔立ちをしていた。 「いたいけな少女を何度もぶつなんて…ひどいです…」 「いたいけな少女は知らない人の後頭部にヨイショ!なんてしません」 ヨヨヨ…のポーズをとる少女。 「で、君はなんなの?死神みたいなもん?」 「まあ、そうですね。此方側の言葉で言うならば死神です」 悪びれも無く答える死神。 あ、そういえば、と頭の上に電球マークを出しながら死神が話を続ける。 「あ、そういえば自己紹介がまだでしたね?殺しておいてなんですけど、サキと言います。本当にこの度はご愁傷様でした…お悔やみ申し上げます…」 「ほんとにな。ほんとに殺されておいてなんだけど故人が悔やまれるわ。オメーみてーなのが何で死神になれんだよ。なれて死神代行だろ」
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