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「ボク的には真木野さんのほうが大人っぽく見えるけどねー。とりあえず、また今度ゆっくり話そうよ。ケータイ持ってる?」 「う、うん。えっと、受け取ればいいかな」  再会の約束を取り付け、互いの携帯を近づける。記念すべき入学初のアドレス交換である。 「ありがと。っと、呼ばれたから行ってくる。じゃ、また学校で」 「うん。メールするねっ」  鳴嶋さまー、鳴嶋さまー、とアナウンスが鼓膜を震わせる。  今どき珍しい、純粋な娘なんだなー。そんな遼に対するイメージは、時間と共に、するりとどこかへ抜けていった。
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