3人が本棚に入れています
本棚に追加
/36ページ
「ボク的には真木野さんのほうが大人っぽく見えるけどねー。とりあえず、また今度ゆっくり話そうよ。ケータイ持ってる?」
「う、うん。えっと、受け取ればいいかな」
再会の約束を取り付け、互いの携帯を近づける。記念すべき入学初のアドレス交換である。
「ありがと。っと、呼ばれたから行ってくる。じゃ、また学校で」
「うん。メールするねっ」
鳴嶋さまー、鳴嶋さまー、とアナウンスが鼓膜を震わせる。
今どき珍しい、純粋な娘なんだなー。そんな遼に対するイメージは、時間と共に、するりとどこかへ抜けていった。
最初のコメントを投稿しよう!