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かすかに聞こえる、何かの音。
ぼんやりとした意識の中、目をこすりながら体を起こした。
--ジリジリジリジリ--
と、意識と共にはっきりしてくるその音。
目覚まし時計の音だ。
やっぱり、これがなかったら起きられていなかっただろうな……
そう安心しつつ布団から這い出て、目覚ましのベルをとめる。
なんだかいつもよりグッスリと、長い時間眠れたような気分。
睡眠時間は変わらないのにそう思うのは、昨日の疲れのせいかもしれない。
カーテンを開け、大きく伸びをする。
今日もいい天気。
ひんやりとした空気と朝日が気持ちいい。
憂「…さて、お弁当と朝ご飯作らなきゃ」
余裕は十分あるはず。ゆっくりやっても時間は大丈夫だろう。
そう気楽に思いながら、部屋を出て行こうとした。
--のだけど。
憂「あれ…?」
ふと視界に入った目覚まし時計に、私は意識を奪われた。
なんでだろう。
時計の針の位置にかなりの"違和感"を感じる。
憂「あれ…おかしいな…まさかまだ寝ぼけてるのかな…?」
目をこすり、もう一度確認する。
憂「え………」
その時計の、針が指すのは--
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