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話し終えた教授は、満足したように息を吐いて温かそうなココアを飲んだ。
「……ということを昨日、眠れなくて考えていたのだが、どうだね? 」
「そう言われても……」
教授は欠伸をしながらあたしに尋ねた。
さっきの長い殺人事件は、教授の想像……妄想?……である。
眠れなくて、あんな物騒な事を考えるとは何事か。
と、突っ込みたくなるけれど、いつものことだから気にしない。
「何だか寝不足だよ。
考えていたら目が冴えてしまってね。
あまり寝ていないのだよ。
しかし、昼寝をすると夜寝れなくなるからね」
苦笑する教授。
「そーだね」
ココアを冷ましながら、小野寺君は適当に相槌を打つ。
あたしも湯気の立つココアを、ゆっくりと飲んでみた。
熱い。
思わず顔をしかめた。
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