弱い自分

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ピリリ、 ピリリ、 携帯の着信音が部屋に鳴り響く。ぼおっとしながらも電話に出る。 「もしもし。」 「井本?」 何でこんな時間に電話してくんねん。 そんな優しい声出すなや。 泣きたくなるやんけ。 「寝てたやろ?ごめんな。」 「ええよ、目覚めてたし。」 もう切ってええって。そう思いながら受話器から耳を離そうとすると、 「会いに行ってええ?」 藤原の優しい声が心臓にまで響いた。 いきなりの事で頭の整理がつかずもう一度え、と聞き返した。 「やから、会いに行ってええ?」 何で今頃会いにくんねん。会うならもっと早く会いに来いやぼけ。 さみしかってんぞ。 「うん。早よ来て。」 「分かった。」 優しく返事をするとぷちっと電話が切れ、音が消えた。 やっぱり分かんねんなお前には。 敵わへんわ。
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