弱い自分

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ピンポーン 数分後、玄関のインターホンが部屋に行き渡る。 「俺や、来たで。」 ドアを開けると大きな体が俺をすっぽり包み込んだ。 俺も抱き締め返した。胸の中に顔を埋めてじっとして動かなかった。 温かくて藤原の体温がじんわり伝わる。 優しい匂いが香って安心する。 「藤原。」 「何?」 「好きやで。」 「俺も好きやで。」 お互いに見つめ合い藤原が俺の頬を右手でそっと撫で唇を合わせた。 柔らかい感触に思わず涙が溢れる。 「何で、泣いてんねん。」 「やって、嬉しいねんもん。」 「ほんま?俺も嬉しいで。」 「あほ」 俺の涙を指で拭って優しく頭を撫でてくれた。 朝になっても藤原は 俺を抱き締めてくれた。 end
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