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「………視界が悪すぎる。」
荒れ狂う豪雨の中、俺は呟いた。
シャァァァン………
唐突に剣の刃を、鉄に擦り付けた時に、鳴る音が聞こえた。
音のした方を見ると、空間の歪みが近付いてきていた。
俺は、あれに見覚えがあった。
翼を出すときに正面からくらった衝撃波だ。
カァァァァン!
「くっ………!?」
またもや、反射的に剣が動く。
しかし、衝撃波の威力のすべてを受けきれる訳でもなく、俺は、そのまま押されて、体ごと風の塊の中に弾かれた。
豪風の中ではバランスが取れず、飛ぶと言うよりは、風に流され、敵に襲われたら応戦できない。
翼を羽ばたいても、体制を立て直せない。
「くそっ………!」
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