【第二話】

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「……なぁ、小太郎君」 「んだよ」 「俺は今から、とんでもなく愚かしいことを聞くと思うが、どうか許してくれ」 思い起こされる先ほどの光景――それは、小太郎君の裸体。 一糸纏わぬ、美しくスレンダーな四肢。 彼のソレには、一つだけ大きな問題があったのである。 品位のない低俗な表現で表すのであれば……そう。 "ある筈のモノがなくて、ない筈のモノがあった" そんな感じ。 所謂、 「君、女の子だったのか!」 「そうだけど、何?」 脱衣所の扉の向こうからは、気の抜けるようなあっさりとした返答が。 今更ながら、自分の愚かしさを呪う。 そうだ。 そうだよな。 小太郎君、一言も、自分の性別を断言してなかったもんな。男だなんて言ってなかったもんな。女の子でも不思議じゃないよな。小太郎っていうのが、女の子の名前でも、おかしくはないよな。俺が勝手に勘違いしてただけってか。笑えるね。笑えるぜ、マジで。 さて。 「……どうしよう……」 とりあえず土下座で足りるのだろうか。
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