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「言えよ!だったらスウェットくらい貸したっつーの!着るものが無いから裸って発想おかしいだろうが!」
暖房をつけてるとはいえ、冬だぞ!いや、そういう問題じゃないけれども!
「あー、なんかこれ以上尽くしてもらうと、おにーちゃんに悪い気がしてなー」
「変な所で律儀だなぁ!――あぁ、もう!ちょっと待ってろ!」
慌ててクローゼットに直行。
厚手のスウェットを取り出し、それを小太郎君へと放り投げる。
「と、とりあえずそれを着てくれ!俺はあっち向いてるから!」
このままじゃ、話も謝罪も糞もあったもんじゃない。
良薬口苦し。
目の保養も、過ぎてしまえば目に毒だ。
「ったく、裸くらいでうるせェな。……何? おにーちゃん、まさか童貞なのか? 馬鹿みてェに初心なのか?」
「うるせぇノーコメントだ!」
「かはは。答を言ってるようなもんじゃねェか、ソレ。でもまぁ、気にすんな。オレも処女だからよ」
「童貞と処女を一緒にするな!」
「一緒じゃねェの?」
「一緒だけど、色々と違うんだよ!」
「意味分かんね。……あ、ところでおにーちゃん」
「今度は何だ!」
「下着はどーすりゃいいの?」
「頼むから黙って着替えてくれ!」
そんな必死のやり取りがあったものの、背後から布が擦れる音が聞こえてきたので一安心。
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