【第二話】

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「んだよ、ジロジロ見んなよ」 いざこうして、小太郎君の性別を知ってからだと、印象がかなり変わるな。 どこか野性的なその顔も、見方によっては、今流行りのボーイッシュな感じだし。 サイズの合ってない大きなコートに身を包まれていなければ、その小柄な体は、折れてしまいそうな程に華奢だ。 詰まる所、彼女はどこからどう見ても――、 「やっぱ、女の子なんだな、小太郎君……」 「だからそう言ってるだろうが。何? なんか問題でもあんの?」 「あるに決まってるだろ……」 痛む頭を手で押さえる。 「見知ったばかりの女の子を家に泊めるだなんて、一歩間違えれば犯罪が起こりそうじゃねーか。というか、既にこれ犯罪だろ」 「まぁ、その辺はお互い合意してんだし、良いんじゃねェの?」 「合意したのは、君が男の子だと思ってたからだ。女の子だと知ってれば、頑なに拒否したっつーの」 「変に硬派なのな、おにーちゃん。今時男女差別は非難されちまうぜ?」 「合理的差別だ。というか、小太郎君。君、歳は幾つなんだよ?」 「さァ?」 「さぁってお前……」 「だって、自分の歳なんてまともに数えたことねェもん。まァ、14歳くらいじゃねェの? 15はいってねェと思うんだけど」 「だとしたら犯罪者確定じゃねーか!」 未成年中の未成年とか、完全にアウトだろ。
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