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「んだよ、ジロジロ見んなよ」
いざこうして、小太郎君の性別を知ってからだと、印象がかなり変わるな。
どこか野性的なその顔も、見方によっては、今流行りのボーイッシュな感じだし。
サイズの合ってない大きなコートに身を包まれていなければ、その小柄な体は、折れてしまいそうな程に華奢だ。
詰まる所、彼女はどこからどう見ても――、
「やっぱ、女の子なんだな、小太郎君……」
「だからそう言ってるだろうが。何? なんか問題でもあんの?」
「あるに決まってるだろ……」
痛む頭を手で押さえる。
「見知ったばかりの女の子を家に泊めるだなんて、一歩間違えれば犯罪が起こりそうじゃねーか。というか、既にこれ犯罪だろ」
「まぁ、その辺はお互い合意してんだし、良いんじゃねェの?」
「合意したのは、君が男の子だと思ってたからだ。女の子だと知ってれば、頑なに拒否したっつーの」
「変に硬派なのな、おにーちゃん。今時男女差別は非難されちまうぜ?」
「合理的差別だ。というか、小太郎君。君、歳は幾つなんだよ?」
「さァ?」
「さぁってお前……」
「だって、自分の歳なんてまともに数えたことねェもん。まァ、14歳くらいじゃねェの? 15はいってねェと思うんだけど」
「だとしたら犯罪者確定じゃねーか!」
未成年中の未成年とか、完全にアウトだろ。
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