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「ま、儲かるには儲かるんだけども、職業柄、良質な人間関係を築きにくいってのが問題なんだよなァー」
ゴロリとカーペッドの上に寝転がり、小太郎君はそう呟く。
「だからよォ。何だかんだ言いながらも、こうして普通にオレと接してくれてるおにーちゃんのことは、割と本気で気に入ってんだぜ?」
「……そりゃ光栄だ」
「なんならこのままオレと付き合うか? そうすりゃ、この宿泊も完璧に合法だ。ひひっ」
「冗談は止めてくれ」
大人びた様子を見せる時があれば、子供らしい一面を見せる時もある。
言動全てが支離滅裂。
話していても、話している気がしない。
故に、これ以上、まともに話しているのが馬鹿らしくなってきた。
「俺は年上が好みなんだ。ホラ、ベッド貸してあげるから、君みたいな子供は、大人しくさっさと寝るんだな」
「今の告白、結構本気だったんだけどなー」
俺は――目を逸らした。
これ以上、この不気味な人間と関わり合いたくなかったから。
「告白なら、もう少し女の子らしくなってから出直してこい」
「女の子らしさって何?」
それ以上、俺は応えなかった。
――――――。
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