【第二話】

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―――――。 時計の針が、深夜の1時半を示した辺りの頃。 ベッドの上で、静かに寝息を立てる小太郎君を後目に、俺はベランダへと出た。 身を切るような冷たい空気が身体を襲ったが、グッと我慢。 悴む指で、携帯のボタンを押す。 目的の悪魔は、2コール目で出てくれた。 『ハロー、京介。待ちくたびれたわ』 深夜だと言うのに、変わらぬDDの口調に、不本意ながらも少しだけホッとしてしまった。 「……悪ぃな。お姫様が中々寝付いてくれなくて」 『あら、もしかして本当に手を出したの? とんだロリコン性犯罪者がいたものね』 「ばーか」 白い息が、口から漏れる。 『で、どうかしら? 巧くいきそう?』 「どうやら俺、彼女のお気に入りらしくてな。なんとか殺されずに済みそうだ」 『それは重畳ね』 「これだからモテモテの男は困るぜ」 『気持ちの悪い冗句は止めて頂戴。電話切るわよ?』 DDが本気で苛立った声を上げたので、慌てて謝っておいた。
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