3444人が本棚に入れています
本棚に追加
―――――。
時計の針が、深夜の1時半を示した辺りの頃。
ベッドの上で、静かに寝息を立てる小太郎君を後目に、俺はベランダへと出た。
身を切るような冷たい空気が身体を襲ったが、グッと我慢。
悴む指で、携帯のボタンを押す。
目的の悪魔は、2コール目で出てくれた。
『ハロー、京介。待ちくたびれたわ』
深夜だと言うのに、変わらぬDDの口調に、不本意ながらも少しだけホッとしてしまった。
「……悪ぃな。お姫様が中々寝付いてくれなくて」
『あら、もしかして本当に手を出したの? とんだロリコン性犯罪者がいたものね』
「ばーか」
白い息が、口から漏れる。
『で、どうかしら? 巧くいきそう?』
「どうやら俺、彼女のお気に入りらしくてな。なんとか殺されずに済みそうだ」
『それは重畳ね』
「これだからモテモテの男は困るぜ」
『気持ちの悪い冗句は止めて頂戴。電話切るわよ?』
DDが本気で苛立った声を上げたので、慌てて謝っておいた。
最初のコメントを投稿しよう!