【第二話】

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ベランダから、DDの住む城の明かりが見える。 アイツも、高級ソファーに優雅に座り、紅茶でも飲みながら、俺のこのボロアパートを見ているのだろうか。 そんな下らないことを考えながら、もう一度大きく白い息を吐く。 「…………なぁ、DD」 『無理よ』 皆まで言う前に、バッサリと切り捨てられた。 『京介。貴方が鴉麻小太郎の境遇や考え方を知って、何か思うことがあったということくらいは、察しがつくわ。それなりに長い付き合いだもの』 「…………」 『でも無理よ。貴方が何をしようとも、鴉麻小太郎はどうにもならない。あの子は、もう終わってる。外れる所まで外れてしまっているわ』 事実を述べるだけのような淡々とした声が、俺の耳を切り裂いてくる。 「……まだ何も言ってねぇよ」 『だから言う前に忠告してあげたのよ。くれぐれも、余計な行動を起こさないように。貴方はただ、鴉麻小太郎が去るまで大人しくしていればいいの。能動的で愚かな行動は慎みなさい』 「酷い言われようだな」 『馬鹿は根気強く言ってやらないと聞かないでしょう?』 心配しなくても、何か発言する前からそこまで全否定されたら、起こす気もなくなるっつーのに。
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