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「依頼人が契約違反をしたとすれば――鴉麻万凶は決して許してはくれないでしょう」
そう。
それが――プロというもの。
「そうなれば、奴はきっと、我々が何処に逃げたとしても追ってくるに違いありません。無故意だとはいえ、鷹峰会は、鴉麻万凶を敵に回してしまったのですよ」
「……成程、な」
「――そこで、」
急に。
江本の表情に笑顔が戻った。
「――"貴方のお力が必要になってくるのですよ、沢木さん"」
「…………」
……まぁ、正直。
話の途中で、何となく分かってはいた。いや、むしろ、この場に呼びだされた時点で勘付いてはいた。
鷹峰会が、俺に何を望んでいるのかを。
「我々が無事にこの鞍柘市から撤退し、暴力団として存続するには――もはや、圧倒的危険因子である鴉麻万凶を葬りさる以外に道は残されていません」
"だから"
「――奴の殺害にご協力願えませんか?」
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