【第二話】

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「んーと、神様がいるかどうか――だっけか?」 「そうそう」 「小太郎君の考える『神様』ってのが、何かにもよるな。宗教的な意味の神様? 単なる概念的な意味? それとも、象徴的な意味か?」 「あー。いーんだよ、そーゆー小難しいのは。フツーの意味の神様だよ。祈られる神様。ああ神様お願いしますお助け下さいー的な感じのアレ」 「ふぅん」 さて、どうだろうか。 小学校の頃道徳の授業で、似たような問答をやったような記憶はある。勿論、ぼんやりとだが。 けれども、如何せん、あのころの俺はとにかくガキだった。 『神様のおかげで僕は無事に生まれてくることができました』などといった、まさに歯の浮くような綺麗事しか並べることが出来なかった。 今はどうだろう。 それなりに、無駄に歳を重ねた今となってはどうなのだろう。 「おいおい、おにーちゃん。そんなに難しく考え込むなよ。テンポ悪いなぁ」 「ん? あぁ、悪い」 「時間潰し目的に過ぎねぇお気軽極楽の遊び問答だぜ? こんなもん、フィーリングで答えてくれりゃいいんだよ」 「それもそうか」
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