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「おにーちゃんの考えがどっちだとしても、オレは否定なんてしねーからさ」
小太郎君の軽快な笑い。
こんなのは所詮他愛もない思考ゲームということか。なるほどどうして。
「うん、そうだな。じゃあ、神様なんていないに1票で」
「つまんねェ考えだな」
「おい」
「反吐が出るぜ」
「おい」
今すぐ前言撤回しろ。
否定どころか全否定じゃねぇか。それどころか、+αで暴言までトッピングしてきやがって。
「いやいや待て待て、小太郎君。頭ごなしに否定するのを別に咎めはしないが、そういうのはまず他人の意見を最後まで聞いてからにしてくれよ」
「丁重にお断りするぜ」
「なんでだよ!」
「――と、声を大にして言いたいところだが、まぁ、他ならぬおにーちゃんの頼みだ。仕方ねぇな。手短に頼むぜ?」
「…………」
いや、なんで上から?
というツッコミはさておき。
「だって考えてもみろ。仮に神様なんて超常的なものが存在していたとしよう。だとすれば、もっとこの世はマシになっているはずじゃないか?」
「マシ? あァん? マシってのは、具体的にどんなだよ?」
「そうだな……。月並みな考えにはなるけど、貧困もなければ、不幸もない。争い事も苦しみも病もない。皆が皆、平等に幸せを享受できる、まさに絵空事にような理想的世界ってところだな」
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