【第二話】

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……さて。 とはいえ、驚いてるだけでは何も解決しない。 コホンと咳払いをし、俺は口を開く。 「あーっと、こんばんは」 「おぉ。挨拶返してくれるのか。おにーちゃん、良い人だな」 「それほどでも。……で、アンタ」 「あ?」 「殺人は犯罪だぜ?」 「知ってるよ、そんなこと」 即答された。 しかも案外普通の受け答えだった。 「知ってたのか」 「当たり前だ、馬鹿にすんなよ。鼻ったれのガキでも知ってる社会のルールだからな」 「じゃあ、その人は生きてるのか?」 「あ? コレのこと?」 ガッと、少年は足元に転がる男性の身体を、乱雑に蹴った。 いやいや、サッカーボールじゃねぇんだから。 「死んでるに決まってるだろうが。このオレが壊したんだぜ?そりゃ死ぬさ」 「もう一度言うけど、殺人は犯罪なんだぜ?」 「知ってるっつってんだろ、うるせェな」 おかしいな。 どうにも話が噛み合わない。
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