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◇ ◇ ◇
以上。で現在に至る、と。
ともあれ。
かくして。
Noと言えば殺される状況下で、それを実行できる筈もなく。
流れに流され、俺は現在進行形で、小太郎君を【中区】の我が家まで案内しているところなのである。
移動手段は先ほども言った通り、バス。
本当に、数奇なモノだ。
こんなことになるなんて、思いもよらなかった。
「――おい。見てみろよ、おにーちゃん」
ふいに小太郎君が車両の前方にある、電光掲示板を指差した。
ちなみに、彼が着ているコートは返り血で真っ赤に染まっていたが、どうやらそんなこともあろうかと、リバーシブルの一品だったらしい。
今は、血液付着面は内側。
それはそれでどうかと思うが、彼が気にしていないならどうでも良い。
「何だよ」
「面白ェもんが流れてるぜ」
目を向けてみる。
――――――――
本日午後10時頃。
南区の某所にて、男性の死体が発見された。警察は、死体の身元確認と共に、殺人事件とみて捜査を続ける方針。
――――――――
そんなニュースが電光掲示板に表示されてた。
「早ェ早ェ。もう見つかっちまったぜ」
「死体をゴミ箱に押し込んだだけだったからな。そりゃそうだろ」
「普段なら、オレは壊す専門で、死体の処理とかは管轄外だからな。残念ながら、作法なんて知らねェんだわ」
「それを言うなら、俺の方が知らないっつーのに」
「嘘つくなよ、おにーちゃん」
「嘘じゃねーよ、小太郎君」
嘘だけど。![image=453839092.jpg](https://img.estar.jp/public/user_upload/453839092.jpg?width=800&format=jpg)
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