【第一話】

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「どうしてそんな渋い顔するのよ京介? DDはとっても良い奴よ。カッコイいし、頭はキレるし、何より面白い。ほら、もっと嬉しそうな顔しなさいよ、親友でしょ?」 んっ? 「詠ねえ、急に話が見えなくなって来たんだが」 おかしいな。知らない名前が出てきたぞ。 「奴の親友って……どちらの京介さん?」 「どちらって……今、私の目の前にいる京介さんだよ」 ダークブラウンのダッフルコートから覗かせる詠ねえの人差し指がありありと俺を差す。 精神が悲鳴をあげた。 酷い。酷すぎる。怖気の走る冤罪だ。勘違いにすれ違い、人は何故分かり合う事が出来ないのだろうか。 「詠ねえ、俺の名誉のために断っておくが、俺と奴の関係は他人以下だ。いや、敵同士といってもいい。奴は俺のことが嫌いだし、俺は奴のことが大嫌いだ」 「その割には良くつるんでるよね君達? 言うなれば喧嘩するほど仲が」 「悪い! てゆーかつるんでない、連れ回されてるだけだ。そこに俺の自由も好意もないよ」 「またまたー。嫌よ嫌よも」 「好きじゃない!」 「ふぅん?」と訝しむ詠ねえの口角がつり上がっている事に気づく。遊びやがって、弄びやがってこんチクショー。  
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