3444人が本棚に入れています
本棚に追加
「どうしてそんな渋い顔するのよ京介? DDはとっても良い奴よ。カッコイいし、頭はキレるし、何より面白い。ほら、もっと嬉しそうな顔しなさいよ、親友でしょ?」
んっ?
「詠ねえ、急に話が見えなくなって来たんだが」
おかしいな。知らない名前が出てきたぞ。
「奴の親友って……どちらの京介さん?」
「どちらって……今、私の目の前にいる京介さんだよ」
ダークブラウンのダッフルコートから覗かせる詠ねえの人差し指がありありと俺を差す。
精神が悲鳴をあげた。
酷い。酷すぎる。怖気の走る冤罪だ。勘違いにすれ違い、人は何故分かり合う事が出来ないのだろうか。
「詠ねえ、俺の名誉のために断っておくが、俺と奴の関係は他人以下だ。いや、敵同士といってもいい。奴は俺のことが嫌いだし、俺は奴のことが大嫌いだ」
「その割には良くつるんでるよね君達? 言うなれば喧嘩するほど仲が」
「悪い! てゆーかつるんでない、連れ回されてるだけだ。そこに俺の自由も好意もないよ」
「またまたー。嫌よ嫌よも」
「好きじゃない!」
「ふぅん?」と訝しむ詠ねえの口角がつり上がっている事に気づく。遊びやがって、弄びやがってこんチクショー。
最初のコメントを投稿しよう!