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「じゃあオレが風呂入ってる間に、ソレ、洗濯しといてくれ」
「いっそ気持ちが良いくらいに図々しいな、オイ」
「あァ。大事なモンだから、くれぐれも慎重に丁寧にな」
「この返り血べっとりの代物が……か?」
「んじゃ、よろしく!」
バタン。と勢いよく、脱衣所の扉が閉められる。
コートを受け取った両手が、既に真っ赤に染まってしまっていることに肩を落としながらも、俺は洗濯機と向き合った。
「――と言われてもなぁ」
うーん。
コートって、どうやって洗えばいいんだっけか。普通に、洗濯機に突っ込んじゃっていいのか。
それとも、まずは揉み洗いか。洗剤で血の汚れとかって取れるのだろうか。
などと、まるで主婦のような疑問の数々に頭を抱えていたが――しばらくして、ネットで調べてみれば良いということに気が付く。
まったく、便利な世の中になったもんだ。
早速ウェブページを検索してみようと、ポケットから携帯を取り出した。
その瞬間だった。
―――ヴヴヴヴヴ
まるで待っていたかのようなタイミングで、携帯が振動。
液晶画面に表示されたのは、
着信
From:DD
「…………」
一瞬で、全身から血の気が引いた。
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