【第二話】

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『気持ち悪いとは心外ね。私はただ一雇用者として、労働力の勤務状況を確認しているに過ぎないのに』 「その"確認"ってのが、著しく俺の人権を侵害してんだよ。たまに自分の住むこの国が、日本なのかどうか疑いたくなるぜ」 『たとえ国際法で禁止されていようとも、どの時代の背景にも奴隷という存在は付き物よ。この時代では、たまたま京介がそうなだけ』 「いっそ、その烙印たるこの携帯を叩き壊してやろうか」 『別に私は構わないわ。代わりはいくらでもあるし、それに契約上、携帯を壊したらその修繕費分が貴方の借金に加算されるだけだもの』 「…………」 『下手な高級車よりも高価よ、ソレ』 例によって例の如く、大した反撃も出来ないままDDにいつものように言いくるめられたところで、大きく嘆息。 とことん、コイツには敵わないんだなぁ、俺は。
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