【第二話】

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「――で、DD。お前は結局どこまで知ってるんだ?」 話を本題に戻し、問いかける。 『そうね……。貴方が仕事帰りに運悪く殺人犯と出くわし、何故か妙に気に入られ、結果として自宅にて匿うことになってしまい、今はコートの洗い方について考察している――というところまでかしら』 「成程全部か」 それならば、改めて現状を説明をする必要もないだろう。手間が省けた。 「分かってるなら、まぁ、許してくれ。流石に今日中に、徴収した依頼料をお前に届けるのは難しそうだ」 『あら、仕事熱心なのね。いいわよ。お金は、全てが片付いてから届けてくれれば問題ないわ』 「無理矢理でも持って来いとか言われたらどうしようかと思った」 『それよりも京介。仕事中に奇異なことに遭遇し巻き込まれる――貴方のその体質は、もはや一種の才能ね。その才能を少しくらい、趣味のギャンブルに活かせれば良いのに』 「うるせぇ、余計なお世話だ」 『そう怒らないで。私は褒めているのよ? 深夜ということで暇を持て余していた私に、これ程愉快なネタを提供してくれたのだから』 「うるせぇってば」 『貴方は本当に優秀な人材よ、京介』 「このタイミングで言われても嬉しくねぇよ!」
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