【第二話】

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クソッタレ。 俺だって、好きで巻き込まれたわけでもないのに、何故こんなに馬鹿にされなきゃならんのだ。 そんな向けるべき矛先が不明な苛立ちを感じていると、 『……とはいえ、』 急に、DDの口調が神妙なものになった。 『いくら面白いとはいえ、笑い事で済ますには、過ぎた事態ね。まさか、相手が【鴉麻万凶】とは』 「からすまばんきょう?」 聞き慣れない言葉に、ついリピートしてしまう。 『壊し屋、【鴉麻万凶】。万物の万に、凶器の凶で"万凶"。貴方が今匿っているその子の通り名よ』 「通り名ってことは……有名なのか?」 『超がつく有名人よ。近年、鞍柘市を中心として活動している凄腕のヒットマン。【judecca】でも、危険視の対象に登録されてるわ』 「おいおいマジか」 あのイカれた組織が警戒してる人間。 そんな奴が今、俺の家で風呂に入ってる……。あぁ、ダメだ。これ以上考えると、マジで頭が痛くなる。
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