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「あ?」
『性欲に身を任せないようにね』
……………は?
『あれくらいの子に手を出したら、人道的にも社会的にも終わりよ。というか、一つ屋根の下にいるという時点で、既に犯罪モノなのかもしれないわね』
「? なぁ、オイDD。お前、何意味の分からないことを―――、」
「オーイ、おにーちゃん」
と。
この絶妙のタイミングで、浴室の方から小太郎君の声が。
「小太郎君? どうした?」
「あー、悪ィな、おにーちゃん。風呂から上がったのはいいんだけど、ちょっとタオルが何処にあるか分からねェんだわ」
「あ、そうだった」
普段なら、脱衣所にバスタオルを置いてあるのだが、今日は洗濯をしてそのままだった。
窓を開け、干してあるバスタオルを確認。よし、渇いてる。
「悪い、DD、切るぞ。また後で電話する」
返事を待たずに、通話を終了。
DDの発言は気になるが、まぁ、それについては後程聞けば良いだろう。
それよりも、今は小太郎君だ。
この冬真只中に、湯上りの身体も拭けずいるんじゃ、流石に風邪をひいちまう。
俺はバスタオル片手に脱衣所の前に足を進め、扉を2回ノック。
「小太郎君、バスタオル持ってきたぞ」
「おお、サンキュ。いや、ホント、何から何かで済まねェな」
「水臭いな。俺と小太郎君の仲じゃないか」
「ひひっ。愛してるぜ、おにーちゃん」
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