不幸なハッピーエンド

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 「一つ聞きたいのだけど、いいかしら?」  「どうぞ……」  「何で入院してるの?」  「怪我したからに決まってるだろ」  この見事な傷を見ろ。昨日、朧にやられたときのだが。  「全身がすごいことになってるっていうのは聞いてたけど、思ってたより酷くなさそうだから」  「あ~……周りが大げさなだけだよ、言うほど大したことないんだって」  初日こそ酷かったが五日もすればもうほとんど完治してるといっても言い。  通常ではありえないのだが。  「ふうん」  それだけいうと彼女は帰っていった。  見舞いに来たんだよな?一応  「大丈夫?」って言葉すらかけて貰えなかった。  そして最後が一番キツい。  「大丈夫ですか!?夜刀さん!!しばらく見ないな~と思っていたらまさかの入院!くぅ~!情報を扱う者として一生の不覚っ!」  こいつについては語ることもないだろう。 .
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