不幸なハッピーエンド

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 「あ、……え?」  わけも分からず固まってしまった夜刀に女性は首をかしげる。  「おいおい、なんだどうした?」  こちらに歩み寄ってくる。  背は夜刀と同じかやや低いくらい、そう考えると170センチ以上の高身長だ。  体つきは豊満で女性らしさが前面に押し出されている。  端整な顔立ちに黒いロングヘヤ。  そこまでばっちり確認して、夜刀は  「わ、悪いっ!!」  脱兎の如く逃げ出した。  リビングまで来ると状況を整理する。  (おいおいおい、誰だよあれ。知らん人がうちで風呂はいってるよ。つーかホント誰!?)  件の女性が、混乱している夜刀のところにやってくる。  「おい腹が減ったぞ、飯だ飯」  「裸でうろうろすんなぁあああ!!」  「いまさらそんなもの気にする仲でもないだろう、阿呆が」  その口調に違和感を感じ、それに思い至る。  「お前……もしかして………神様か?」
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