不幸なハッピーエンド

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 かみ締めるように何度か自分の名を呟く。  「よし、これで名実ともに一心同体だ」  ん?  何言ってんだこいつ?  「それとこれから俺、ここに住むからな」  「なんで!?」  せっかく分かれたのに一緒にいる必要もないだろう。  「分離はできたが独立までは出来ていないようだ、ようはお前との繋がりがまだ残っている」  つまりはお互いの身体は別でも、他のものをいくつか共有しているということだ。  どこまで繋がっているのかは容易には知れないが。  疑問に思わなかったが、俺のここ数日の異常な回復力はそこに起因していたようだ。  考えれば簡単な話だ。  本当にこいつが消えたなら、そもそも俺の身体は元通りになっていなくてはおかしいのだ。  身体能力も回復力もだいぶ低下したがそれでも、普通の人間よりは高い。  つまりはそういうことだったのだ。  「まさかお前名前ってこのための既成事実「何のことだか分からんな」  このやろう!図りやがったな!?
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