出逢い

8/11
前へ
/14ページ
次へ
果てしなく続く砂漠に、一人の男性が歩いていた。 その男性は、人間ではなかった。 なぜなら、彼には翼が生えていた。・・・片方だけ。 もう片方の翼は、何者かに千切られていた。 そして背中から、深紅の液体が流れ続けていた。 その男性の様子を上空から見ている者(?)が三人いた。 その三人(?)は人ではなく竜、しかも金色の鱗を持つゴールド・ドラゴン。 神の使徒と呼ばれる種族。ゴールド・ドラゴンは、男性を助けようとはしなかった。 そればかりか、ゴールド・ドラゴンの瞳は、怖れと憎しみの光に満ちていた。 男性はとうとう膝を折った。 天を向いて力なくこう呟いた。 「・・・俺たちが・・・、一体・・・何をしたというんだ・・・・・・」 しかし、この答えは誰も応えてはくれなかった。 突然、ゴールド・ドラゴンの三人(匹)がその場から飛び去った。 男性は、全く動かずその場に膝を折ったまま、光に包まれたのであった。
/14ページ

最初のコメントを投稿しよう!

11人が本棚に入れています
本棚に追加