死にたがり

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旅館に着いてから間もなくして、僕は体調を崩した。 楽しみにしていたのにと、僕は泣いた。 父さんも母さんも少し困った顔をしながら"大丈夫、何処にも行かないよ"と、笑っていた。 その言葉を聞いて、僕は安心して眠りについた。 そして、気が付いた頃には、父さんも、母さんも、妹の姿さえも、何処にも無かった。 代わりに、白い服を着た人達と、父さんが前に教えてくれた"けいさつかん"って言う人達が、沢山居た。 よく見たら僕の寝ていた布団が赤く染まっている。 そのすぐ側に、母さんが寝ていた。 僕は何が起きているのか、全然分からなかった。 そして、僕は怖くなって母さんに 「人が一杯居るよ?ねぇ、起きてよ。僕怖いよ」 と言って、体を揺すったけど、ピクリとも動かなかった。 それを見ていた白い服を着た女の人が、母さんを揺すっている僕の手に自分の手をそっと添えて 「お母さん、凄い疲れて寝ちゃったみたい。今はゆっくり寝かせてあげて」 と凄い悲しそうに笑って、僕にそう言った。
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