第一章

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今日も、僕はいつもの小屋に閉じ込められてた。 みんなが排泄を行うための場所の一角は、僕を飼うための場所らしい。 出してと叫んでも、笑い声と僕を侮蔑する言葉だけが返ってくるんだ。 身体はびしょびしょで、何か入れたのか嫌な臭いもする。 張り付く衣服は動きにくいけど、それすら気にもならなくなってきた。 だって、いつものことだもん。 どれくらい時間が過ぎたのかな。 扉の前には僕の飼い主たちじゃない人がいるみたいだ。 その人たちは『夢商人』がどうとか言ってる。 いわゆる都市伝説で、夢の中で会った人物に対価を払うと、どんな願いも手に入られるんだって。 ただその対価が何なのか、誰も知らないみたい。  
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