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「やっぱ馴れないな、あれ」
ゆったりと電脳世界の、でもしっかりとした地面へ確かな感触を感じながらもソラトは着地した。
頭を軽く掻き、不満げに小さくため息をつく。
見た目は現実世界にいたときとは大きく違い、
腰には一刀の太刀を挿し、髪型と髪の色も少し変わっていた。
服装は和服に甲冑、
ではなく、どちらかと言えば洋風に近く丈の長い服装だった。
ソラトの目の前に兜が浮いている
当たり前のように付き纏う兜を見て、
「……サイはまだか?」
その質問は目の前の不可思議へと向けたものだが
「まだログインされていないようです」
すぐに応答した。
これはゲームの世界だ。
このような物が、ごろごろゴロゴロ出てくるに違いない
そう開始当初ソラトは思っていた。
だが特別なのはこの時だけ。
それを理解するのにそれほど時間はかからなかった
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