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「私、猫は好きよ。だから悲しいの」
「何で悲しいんだ?」
「だって、恐い殺人鬼に、沢山の猫達が殺されているんだもの。ああやって日向ぼっこしてお昼寝してるあの子もきっと……」
しばらく間を置いて、少女は再び男の方に向き直り、
「だから気をつけてね。猫の怨念はもっと恐いから」
それを聞いた瞬間に、男の心臓がドキリと跳ね上がった。
少女が言ったその言葉の意味はどういう意味なのかまるで分からない。
もしかして、自分が殺人鬼であるとバレてしまったのか。
しかし少女は小さく微笑むと手を振って、そのまま公園の中を駆け出していった。
男はただ、その少女が去って行った所をずっと凝視するだけであった。
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