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「また、猫が殺されたみたいね」
また、あの少女が隣のベンチに座っていた。
「本当に、酷い事をするのね。猫達に平和が訪れないわ」
「……その、猫を殺した相手が捕まらない限り、猫達に平和なんて戻らないだろうな」
「でもねおじさん」
急に少女が立ち上がり、男の正面に立ってきた。
「それも今日で終わるの」
何か言いたげに聞くよりも早く少女は再び人混みへと消えて行ってしまった。
男はまた、唖然とするしかなかった。
ルイス・キャロルの作品のモデルとなったアリスという少女を相手にすれば、ああなのかとそう思った瞬間だった。
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