猫と殺人鬼

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『それではニュースです。今朝、玄関前で男性の死体を発見しました。 まるで獣に食いちぎられたかのような無残な状態で発見されたそうです。 男性の名は、マイク・マクレーン(25)無職。彼の手にはキツくナイフが握られており、家の中を調べた所、猫の血が付着したナイフが大量に発見され、マクレーン氏が猫の殺人鬼だという確定が取れたもよう。 今後も警察で死因を探るべく、調査を続けていくつもりです――』 男が死んだ家の前で、一人の少女が立っていた。 「……おじさん言ったよね、猫の怨念はとても恐ろしいって。私、忠告したのに残念だわ」 くるりと男の家に背を向けて、少女は歩き出した。 丁度一台のトラックがやって来て少女の姿を一瞬だけ隠すと、過ぎた頃には少女は何処にも無くなっていた。 変わりに、クリーム色の混じった白猫が一匹、のんびりと歩いていた。
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