第一話~捜索開始~

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* 「ふぅ……」 帰宅し、ベッドに横になる。本屋に雑誌を見に行くだけのつもりだったのに、思わぬ事態に巻き込まれてしまった。 「いや……巻き込まれにいったのかな」 苦笑する。木から降りられなくなっている白を助けたのはともかく、その後の展開には俺の意思が働いているのを否定できない。 ファミレスに白を誘ったこと。会話を引き伸ばしたこと。そして―― ――いつまで猫を追いかける予定なのか、と尋ねた俺に。 「ん~……私の学校、明日から春休みなんすよねー。なんでとりあえず、休み一杯は頑張ろっかなー、って思ってるっす」 そう、答えた白。そんな彼女に対して、 「……俺も、明日から春休みなんだよね」 自然と、そう切り出していたことや。目を丸くする白に、 「だからまぁ、手伝ってもいいけど」 なんて畳み掛けたことは、もう、完全に俺の意思で。 巻き込まれた、なんて受動的なものでなく。 能動的に、自ら望んで、巻き込まれにいっているのは明白だ。 「……なんでわざわざ、首突っ込んじゃったかな」 なんて、自分に呆れてみるものの。その答えが、胸の奥底にあるような予感は誤魔化せなくて。 「ま、なんでもいいか」 思考を切り上げるべく呟いて、あの後しっかり立ち寄った本屋で買った雑誌に目をやった。
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