序章

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そこへ誰かが神社の鳥居を潜りこちらに向かって来る。 「あーあ、んだよ、誰か居るかと思って来てみたら焔(ほむら)じゃねぇか」 僕の目の前に現れたのはクラスのいじめっ子でこの町の大地主の息子の田宮剛(たみやごう)だ。 剛は普段大人しい僕に何かと突っ掛かってくるヤツなのでジョンを抱き寄せた。 「丁度いいや。俺さ、バツゲームでアイスを3人分も買わないといけなくてさ、俺の分だけ足りないから金貸してくれよ」 「・・・・父さんがお金は貸しちゃいけないて言ってたから嫌だ」 「何だと。焔のくせに俺に逆らうのか」 僕は拒否の姿勢を示すと剛はさらに近づいて胸倉を掴み、中に浮かす。「お前の父ちゃんは町一番のズルいやつだよな。」 数年前の出来事だが僕の父さんはこの町の町長を勤めていた。そしてある日父さんの部下の一人が元暴力団員だったことが発覚してスキャンダルになり責任を取る形で町長を降ろされた挙げ句、有ること無いこと町では噂が立ってしまい父さんはある日突然蒸発してしてしまった。
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