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すると広場から裏手を回って、二人組の男がやってくる。 パットは静かに息を潜め、その二人組の動向を見守った。 男達はアナリューの部下だ。ヘンジロウを捜しに行った副隊長の様子を見に行ってこいとシードに命令された為、こっち方面に来た次第だ。 男達は何か身振り手振り会話しながら物陰に隠れているパットの傍を通りかかる。 「しっかしよ、隊長の性癖は理解できんね。俺だったらあんな良い女真っ先に犯しちまうっつうのによ」 「俺も同感だ。まあサド気質な奴なら、隊長と分かち合えるかもしれんな」 (……どういう意味だ!? 犯す!? サド気質!? ま、まさか……) 耳に届いた言葉を呑み込み、パットは瞬間的にとある女性像を脳裏に思い浮かべた。 (シュリアって女が危ない!) 男達はパットの傍を通過し、牢屋も素通りして去っていく。 それをじっと横目に見ている時、突如村人らしき男達が建物の死角から跳び出て二人組に襲い掛かった。 「死ねえ!! 外道があぁぁっ!!」
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