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「……ふざけるな! 俺が命乞いをすると思ってるのか。貴様等、悪党なんかに未来を潰させやしない。 誓ったんだ。貴様等に息子を殺されてから、尊い子供の命は身を張ってでも救ってみせるって」 座り込んでいた男は、シード一味の男達を睨み付けながら、おもむろに立ち上がった。 それを聞かされ、男達は癪に触ったようで、意地でも男に命乞いをさせたくなった。 「正義面してんじゃねえよ! もういっぺん言ってやるから土下座して命乞いをしろ!」 「うっ!」 地に伏せられ、肩を足蹴にされ、強引に土下座の体勢を強いられる。 そしてシード一味の片割れは、座した男の首元に剣先をあてがった。 絶望の状況ーーそんな死の淵に立たされたにも関わらず、男の口端は緩んでいた。 男は目線を下から横に向け、パット達の方に視線を送る。 瞳には怯える少女の肩を少年が抱え込むようにして、中腰で屈んでいる姿が映る。 (子供達よ。生きて……この乱世を強く生き延びて、昔のように平和な時を取り戻してくれ。人が人でいられる時代に……) 「こんな安っぽい命で子供二人の命が救えるのだ。さあ殺せ! 命乞いはせぬ。俺は人だ。人は悪魔には屈せぬ!」 「なら望み通りに死にやがれぇ!」
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