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刀剣が頭上高く掲げられる。 男は完全に死を覚悟した。震えも収まり、精神は終焉の境地に達す。 (畜生……俺にこいつらを倒せる程の力があれば……) パットは悔し涙を流し、拳をぎゅっと強く握り締めた。 何もできない事に歯がゆさを感じる。命を賭けてくれた恩人を見殺しにするっていうのか……。 しかし、自分がその場に出て行けば、間違い無く悪党に返り討ちにされる。 そんな葛藤がパットの心を苦しめる最中、突然ドゴーンという爆音が辺りに轟いた。 周囲に居た者達は、自然と音の根源付近に目をやる。 「なんだなんだ!?」 シード一味の男達の注意も、当然の事ながらそっちに向いた。 ぱらぱらと砂塵が舞い上がる中、現れたのは尻餅をついたアナリューの姿であった。 酷く怯えた様子で顔面蒼白。 まあ化粧を施してる為、元々白いのだが……彼は破られた壁の穴の奥をずっと見つめ込んでいる。
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