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素直に従う少女。パットは安堵の息を吐いて、再び戦況を見守り始める。 「うああああああああああっ! はぁはぁはぁはあはぁっ!」 突然雄叫びを上げたかと思えば、今度は地面に寝そべり始めて下半身を小刻みに揺らし始めるアナリュー。 そんな異常な光景を、近くで目の当たりにしながら、ヘンジロウは悠々と腕を組んだまま黙り込んでいる。 「お、おい副隊長の様子がおかしい! どうすればいいんだ俺達は……」 「様子を見るしかねえだろ! 副隊長の近くに駆け寄ったりでもしたら、俺達まであの得体の知れない野郎に、何かされるかもしんねえ!」 戸惑いと恐怖が隠せない男達は迂闊に手が出せないと判断し、遠巻きに状況を見据える事にした。 ――だが彼等は後々、この状況判断を猛烈に後悔する事になるというのは、言うまでもないだろう。 「うぉおうぅんうぅん、あぁな、あな、穴ァァァっ!!」 奇怪な唸り声を発したアナリューは、何かに取り憑かれたかのように妙な動きで立ち上がり始めた。 白目が剥き出しで瞳孔が定まっていない。気の抜けた腕を前に突き出して、歩み始めた様はまるでホラー映画に登場するゾンビのようである。 「あはぁっ、あな、アナ、穴!」
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