濫觴

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~地上~  天津市立第一高校、天津氏最大規模を誇るその校舎の屋上で彼は横になっていた。  「~~♪」 鼻歌を歌いながら夕日で紅く染まった空を見上げる青年の名は神裂 白(かんざき はく)。この高校の三年生だ。一学期の始業式を三日前に終えた学校の敷地内にチャイムの音が鳴り響く。  「あ、授業終わった」 彼は本日最後の授業、数学Ⅲの授業をすっぽかして屋上で寝転んでいたのだ。白は立ち上がり、教室へ向けて屋上を後にする。  白が教室に戻った時には3-4ではすでにSHRが始まっていた。担任の山本が声を張り上げる。  「コラァ!!神裂ぃ!!前ドコ行ってた!!」  「具合が悪かったので屋上に行ってました」  「保健室に行け!!大体お前は……」 山本の説教とクラスメイトの笑いを無視して窓際、一番後ろの自分の席へ着く。山本は怒鳴りすぎたのか、息が切れている。  「ハァ……ハァ……。おいお前ら!!具合が悪い時は保健室だぞ!!ハァ……ハァ……。解散!!」 荷物をまとめ、教室を出る白。  
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