地獄以外の何物でもない

16/31
前へ
/307ページ
次へ
 ・・・・・・・・・・・・。   あれ? 反応なし?  ・・・・・・やばいよ、超死にたいんだけど。  なんだよ、実の妹に罵倒しろって。危ない変態じゃないか。僕は健全な変態であるべきなのに。 『何考えてるかだいたい想像がつくから言うですが、どっちにしろ大差ないです。一人で落ち込んでないでさっさと告れです』  デートから告白になってる!?  ・・・・・・もういいや。  ここまで来たらどうなってもいい。  行くとこまで行ってやる!  ・・・・・・告りはしないけどね。  僕は夏希の手をとると、両手でしっかりと握り締めた。その手を目線の高さにまであげる。  夏希は依然として無反応。ただ、あるとすれば、視線だけは僕を見ていた。  ということは、夏希も少しは意識してるってことだよね? そう考えないと僕の一人遊びだよ、ちくしょう。  僕は大きく息を吸う。そして言った。 「夏希、夕飯の買い物に行こう」  いや、これもデートだよ?    キーワードは広辞苑。
/307ページ

最初のコメントを投稿しよう!

539人が本棚に入れています
本棚に追加