地獄以外の何物でもない

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 そんなことは考えてるだけじゃ解決するはずもなく、時間はただ過ぎてゆく。  キョウと別れると僕は家に入った。 「ただいま」  この時間帯、共働きの両親はいない。そしたら帰ってくる声は残りの二人ってことになる。  突然だけど、最近の僕の悩みはテスト以外にもある。  僕は玄関に並ぶ二つの靴を見てため息をはいた。  こっちのちっちゃい靴は全然構わないとして、ローファーの方はどうしようか?  いや、どうしようも何も理由は明白なわけで、僕が何をするべきかは一つしかない。  そのはずなんだけどなぁ。  リビングのドア越しに殺気が伝わって来てる。無理だとは思うけど、今日も試してみるか。  僕はもう一回ため息をついて、恐る恐るリビングの扉を開けた。 「ただいま・・・・・・」  息対声の割合を1対9にして中に入る。わかりやすく言えば、ものすごく小さな声で中に入る。  僕に背を向けているソファの陰から彼女は頭だけ出す。  夏希の冷え切った眼と眼があった。
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