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いつもだったら、無言で佇んでたら我が妹に罵声の一つでも浴びせられそうだけど今日はそれもない。
僕は虚しくなりながらもリビングを出ると、自室へ向けて階段を上った。
部屋に入ると鞄を置く。
ベッドに座る。
いや、座ろうとした。
布団が不自然な形で膨れ上がってる。誰か入っていないとこんな状況は起きないわけで、そして既に僕にはそれが誰だかわかってる。
僕はため息混じりでその布団をはいだ。
「はぁ、何で僕の部屋で寝てるの、みより」
「うっさいです! 寒くて死ぬです!」
わぉ! 理不尽。あと今は秋だからそんなに縮まるほど寒くないと思うよ。
僕の言い分なんか知らずに、布団の中で猫みたいにうずくまっていたみよりは、僕から布団を奪い返すとまた布団を自分にかけた。
ちなみに今度は頭だけ出して亀みたいになっている。
「健一のせいで毎日睡眠不足です!」
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