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ダメだこいつ。
「無理。駄目。拒否。拒絶。却下。」
「何回断んの!?」
「五回だ。」
「わかってるよ!」
「わかってるなら聞くな。」
「んぐぐ……!」
さて、そろそろ昼飯時だな。
今日は近所の喫茶店で優雅な一時を過ごすとしよう。
ちなみに、俺には家と呼べる住家はないので何処から見て『近所』なのかは自分で考えてくれ。
「と、とりあえず喫茶店とか行こうよ。ここ暑いし。」
「あん?キャッチセールスですか?アンタもやっぱこっち組なのか。」
「こっち組ってどっち組だよ……あー、キミと話してたらホントに疲れる!話が噛み合わない!」
「そりゃ結構。んじゃ、俺仕事あるから。ガキは家で夏休みの宿題でもしてな。」
そういえば言ってなかったな。 今は8月。絶好のぐーたら日和の月だ。
俺はもう大学も卒業してるから宿題に泣く事なんて無い。
しかし、職業が職業だから、ぶっちゃけ年中無休。
正確には『年中無休で年中有休』だが。
要するに、金が欲しい時には働いて、金が余っている時には一日遊びまくるって訳だ。
いい職業だろ?
でも、常に人目を気にしないといけないし、上手く相手を騙さないといけない。
これは結構体力を使うから、決して楽な職業ではないな。
「宿題なんてとっくに終わったよ!あーもう分かったよ!10万出す。だから話を聞いてほしい。」
10万?
この時俺は確信した。
コイツは詐欺師だと。
間違ってたらゴメンネ☆
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