6人が本棚に入れています
本棚に追加
激しい雨が降り注ぐ、真っ暗な闇に包まれた森の中を、足早に森の奥へと進んでいく1人の男性の姿あった。
しばらく雨に打たれながら進む男性の進む先に、目的の村の明かりがみえた。
村に辿り着くと、男は入口の門を潜り、村の中心に位置する大きな屋敷へ向かう。
屋敷の入口にはにはゆらゆらと明かりが灯っているが、雨の中でも明かりは消えない。
炎ではなく、魔法の光だ。
男は明かりを一瞥し、屋敷の扉を叩く。
「私だ、ジンだ。」
少しの間の後、ぎぃ、と音をたてながら扉が開く。
「じぃさんか。待ってたぜ、入りなよ。」
好戦的な目をした、燃えるような赤髪の少年は、ジンー外見は70歳程の老人ーを屋敷へ招き入れ、奥の部屋へと案内する。
奥へ進と、薄いカーテンが何重にも掛かり、甘い香が漂う部屋へとたどり着いた。
部屋の中心には、丸いテーブルと、テーブルの上には水晶があり、そこには深くフードを被った60歳程の女性がジンを待っていた。
「ザイル、ご苦労。お前は席を外していい。」
ジンの言葉に、赤髪の少年ーザイルーは軽く手を振り、部屋を出ていった。
ジンが女性の向いに座ると、フードを被った女性、村一番の占い師マザーは深く溜め息をついた。
「マザー、結果は?」
ジンが促すと、マザーは首を横に振り、口を開いた。
「ジン、お前の予想通りだよ」
一旦口を閉じ、もう一度大きくため息をつく。
「産まれたよ…魔竜の封印を解く者が」
最初のコメントを投稿しよう!