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「俺、ずっと前から佐々木さんのこと好きでした!」 「ごめんなさい!私、あなたとは付き合えないです!」 即答。 相変わらず、佐々木さんは告白してくる男子を振りまくっていた。 フラれたのがショックだったのか、男は「ハハ……そ、ですか」と苦笑いをして逃げていった。 いや、実際には走っただけなんだろうけど、僕には逃げたようにしか見えない。 「ごめんね~笹倉くん。待った?」 佐々木さんが小走りでこちらに向かってくる。 長い黒くてストレートの髪が揺れる。 あ、少し癖っ毛があるかも……。 「ううん、全然」 結構待ったけど、ヘタレの僕にはっきりいう勇気がない。 「良かった。ありがと」 僕の前にいる佐々木穂香(ササキホノカ)がニコッと微笑んだ。 美人で誰もが好きになりそうな可愛い笑顔。 僕なんか相手にされないの分かってるから、好きにならないよう頑張ってます! 佐々木さんは学年1位の成績を常にキープ。 僕と同じ学級委員。 ちなみに僕、笹倉光樹(ササクラコウキ)は学年2位。
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